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Discussion

心房中隔瘤(ASA)は、右または左心房に膨らんだ心房中隔の薄い、局所的なセグメントである。 これはしばしば柵状であり、孤立した病変として、あるいは卵円孔開存、心房中隔欠損、僧帽弁逸脱などの他の先天性心臓異常と関連して発見されることがある。 2-5 このような動脈瘤は、2次元および経食道心エコーで容易に検出される。 動脈瘤は可動性であり、心周期中に心房間を移動するのを見ることができる。 3 ほとんどのASAは臨床的には無症状である。 実際、一般人口の1%において、偶発的な所見である。 6 ASAは臨床的には良性と考えられているが、ASAに伴って心原性塞栓症などの潜在的な臨床的影響が生じる可能性がある。 塞栓症は動脈瘤内の血栓形成に起因する場合と、逆説的塞栓症として発生する場合があります3。 7 もう一つの合併症は、右から左への心房間シャントで、これはASAの90%に発生する。 3 既報の症例報告では、右心室機能不全または肺動脈圧の上昇による右房圧の上昇が、時に右から左へのシャントを引き起こし、その結果、動脈血の脱飽和を引き起こすことが示されている。 7

これまでの研究では、特定の状況において、ASAが血行力学的に重要な右から左へのシャントの発生につながる可能性があることが報告されている。 あるグループ2が、急性右室心筋梗塞の患者において、ASAが心房間右-左シャントを引き起こし、低酸素血症を引き起こしたことを報告した。 2 他のグループ8は、ASAと卵円孔開存に伴う右から左へのシャントを合併し、重症低酸素血症と肺塞栓症を呈した3症例を報告している。 8 さらに、異なるグループ9-11が、右肺切除術を受けた患者が、その後、それまで無症状であったASAや卵円孔を介した右から左へのシャントのために呼吸困難と低酸素血症を発症したことを報告している。 手術で欠損を修復することにより、症状は消失した。 9-11 これらの患者で説明された病態生理学的メカニズムは、右室心筋梗塞、肺塞栓症、肺切除がすべて右室圧を上昇させ、ASAと関連する心房間欠損を介して右から左へのシャントにつながるというものである。 8

我々の症例は、自律神経障害(ビンクリスチン化学療法の副作用としてよく知られている)に起因する血管原性低血圧が、柵状ASAを介して右から左へのシャントを引き起こし、それが低酸素血症と呼吸困難につながったというユニークな状況を実証している。 心房間シャントには3つのメカニズムがある。 1)肺血管抵抗の増加(肺塞栓症)により、左心房圧に対して右心房圧が上昇し、右-左シャントとなる、2)全身血管抵抗の増加により、右心房圧に対して左心房圧が上昇し、左-右シャントとなる、3)全身血管抵抗の減少(血管源性ショック)により、右心房圧に対して左心房圧が減少し、右-左シャントとなる。

我々の患者では、重度の低血圧と血管源性ショックにより、左心室後負荷が減少し、左心室コンプライアンスが増加した。 そのため、左心房圧が右心房圧に対して低下し、柵状ASAを介した右から左へのシャントとなった。 さらに、患者の低酸素血症と血圧の低下との間には強い直接的な相関があり、血圧の低下は酸素飽和度の低下と関連し、逆もまた然りであった。 最初はノルエピネフリン、次にミドドリン12(重度の起立性低血圧の治療によく使われるα1アゴニスト剤13)を静脈内投与することで、左室後負荷を増加させ、左室コンプライアンスを減少させることができた。 3433>

心房中隔瘤の合併症として右から左への心房間シャントがあることは、これまでの症例報告で報告されている。 しかし、それらの症例は肺塞栓症や右室心筋梗塞に伴う右房圧上昇時にのみ右-左シャントが認められたものであった。 我々の知る限り、今回が重度の低血圧と正常な右房圧の存在下で発生した右から左への心房間シャントを確認した最初の報告である。 α1アゴニストの経口投与により、この患者の低酸素血症を治療することに成功した。 今後、同様の生理的異常を有する患者に対して、この治療法を検討する必要があると思われる。

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